題 名 江戸名所草木尽 首尾の松 作者名 歌川国芳
所在地 蔵前1丁目(浅草南元町) 制作年 天保14年~弘化4年(1843~1847年)

柳橋の舟宿から猪牙舟に乗って大川(隅田川)へ出て、山谷(吉原遊廓方面)へ向かったところにある、川面に枝をつき出した松をこう呼びました。 

名前の由来は、

☆吉原帰りの客がこの松の生えている場所で舟を泊め、今宵の遊女との首尾を語り合ったことから。
これから吉原へ向かう人々がここで首尾を祈った。または、「首尾を果たす松」としゃれて験を担ぎ、ここから舟で吉原へ向かった。
松のある辺りに屋根舟を舫いつけ、何か用事をこしらえた船頭が陸に上がっている間に、客が一緒に乗った芸者などと「しっぽり首尾をする」ことから。
舟で吉原から帰る際に、この松のある場所で明け方を迎えれば首尾もよいことから。

など、諸説あります。

初代の松は、安永年間に風で倒れ、2代目は安政年間に折れ、3代目の松は明治の末に枯れ、4代目は戦災で失われました。 現在、蔵前1丁目3番地の蔵前橋畔南側にある松は7代目(1999年3月時点)で、江戸時代に生えていた場所よりも約100メートル川上にあります。

浮世絵では首尾の松が隅田川に張り出しているように描かれていますが、現在は蔵前橋の袂に引っ込んでいるので構図的には松が写っていません。