題 名 東京名所四十八景 新よし原見かえり柳 作者名 昇斎一景
所在地 千束4丁目(新吉原五十間町) 制作年 明治4年8月(1871年8月)

隅田川の堤防である日本堤から、吉原遊廓(新吉原)へ下る坂を「衣紋坂(えもんさか)」といいます。 衣紋坂から「く」の字に曲がりくねった「五十間道(ごじゅっけんみち)」が吉原の入口の大門まで続きますが、この道の入口の左手にあるのが、見返り柳です。 遊廓で遊んだ男が、帰り道に柳のあるあたりで、名残を惜しんで後ろを振り返ったことからこの名が付いたといわれています。 吉原の見返り柳は、枯れるたびに新しい柳が植えられ、平成25年( 2013)に植え替えられた現在の柳は、6代目となります。 樋口一葉の『たけくらべ』冒頭や、落語の演目『明烏』にもこの見返り柳が出てきます。 写真の見返り柳は葉の出始め、夏の頃に撮影しました。 吉原の衰退と同じように、柳の木もあまり枝が繁っていません。 

長崎の丸山の遊廓にも見返り柳があり、丸山への登楼口に通じる「思案橋(しあんばし)」で「行こうか行くまいか」と悩み(思案し)、「思切橋(おもいきりばし)」で意を決して(思い切って)、丸山の入口の二重門(ふたえもん)をくぐる。そして、帰り道に見返り柳の付近で振り返ったといい吉原と同様な場所があるようです。