題 名 東京花名所 入谷のあさ顔 作者名 歌川広重(三代)
所在地 下谷1丁目(下谷入谷町) 制作年 明治12年1月18日(1879年1月18日)

アサガオは日本で古くから親しまれている草花ですが、日本原産の植物ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられたのが始まりです。

また、別名を牽牛花(けんぎゅうか)といい、恋愛運の中でも、特に遠距離恋愛を支える効果がある花と言われています。

嘉永から安政期(1848 - 60)にかけて朝顔は大ブームとなり、明治に入るといったんは衰えましたが、明治15年(1882)頃から大正初めにかけて、入谷田圃といわれた一帯に住んでいた植木屋によってひろく栽培されるようになりました。 坂本村入谷といわれた一帯には、丸新、松本、高野、植松、入又、入十、入久、新亀などの植木屋が軒を並べ、大輪のものや変り種を栽培し人気を集めました。 全盛期の明治24年から25年(1891 - 92)頃には、早朝から往来止めとなるほどの賑わいを見せていました。 毎年、七夕の季節に入谷鬼子母神(いりやきしもじん)の境内とその付近の歩道で開催される朝顔祭りは、市の期間中にお参りすると朝顔の造花がついた子育お守りが貰えるといい、およそ12万鉢の朝顔が並べられました。 1913年に都市化の進展を理由に中止されましたが、昭和23年(1948)に地元の有志により復活して以降現在まで70年以上の歴史があります。

東野圭吾の推理小説「夢幻花」は 、入谷朝顔まつりを舞台とする作品として有名です。 朝顔は朝早くに撮影しないとしないとしぼんでしまうので、早朝に撮影しました。